この新聞記事見出し「賃料下落・解約増」は目を引きますね。
コロナ禍による不動産市況の潮目を感じるとともに、先行きの臭いをより鋭敏に感じ取る努力が必要だなと思いました。
紐解いてみますと、
東京ビジネス地区の8月時点の平均賃料は22,822円。
前年同月比では4.76%(1,038円)上げました。
前月比では0.83%(192円)下げ、
2014年1月から続いていた平均賃料の上昇が80カ月ぶりに止まりました。
前年同月比では上がっているようです。
(79カ月も賃料上昇が続いていた!)
また空室率も約2年半ぶりに3%台に上昇とのことですが、都心5区をエリア別にみると、
渋谷区:4.31%
港区:3.92%
新宿区:3.16%
中央区:2.68%
千代田区:2.00%
と意思決定の速い企業や在宅勤務へと舵を切りやすい業種の多いエリアで空室率が高くなったイメージです。
不動産の相場的な捉え方ですと、昨年8月から見ても既存ビルの平均賃料の上昇が約1.05%に対し、新築ビルの平均賃料は約1.11%上昇しています。上昇の反動は考えられますが、新築ビルの事業主はほとんどが大手の為、直近での大きな悪影響は考えにくいと思います。
ですが先行きという意味では、渋谷区などの空室率の上昇は時代の流れを敏感に感じ取る企業の動きの速さを感じますね。